
2020年、日本での公演が4年ぶりとなる帝劇ミュージカル「ミス・サイゴン」ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となってしまいました。
しかし、2022年7・8月に再度上演が決定!「ミス・サイゴン」の公演を待ちわびていた方も多いのではないでしょうか?
この記事ではミュージカル「ミス・サイゴン」の魅力から、舞台となったホーチミンについて紹介します。
「ミュージカルは好きだけど、ベトナムのことをよく知らない」
「ベトナム好きだけど、ミュージカルを見たことがない」
という方は必見!
ホーチミン在住の私が「ミス・サイゴン」について、熱く語っていきたいと思います。
ベトナム戦争の悲恋が描かれた「ミス・サイゴン」
出典:帝国劇場
「ミス・サイゴン」はベトナム戦争の末期を舞台としているミュージカルです。
初めて公演されたのは1989年、ロンドンのウエスト・エンド「ドルリーリーン劇場」。そこからブロードウェイやツアー公演を重ね、日本だけでも1,463回も公演した大ヒット作です。
世界中から愛されている「ミス・サイゴン」は、世界17ヵ国で公演されました。
ちなみに「ミス・サイゴン」はベトナムを舞台としたミュージカルですが、ベトナムではいまだ公演されていません。
「ミス・サイゴン」は蝶々夫人が元となったミュージカル
「ミス・サイゴン」は、アメリカ兵とベトナム人女性の引き裂かれた運命のロマンスを描いたミュージカルです。
原作者は、とある1枚の写真からアイディアが思い浮かび創作したといわれています。その写真とは、ベトナム戦争時にベトナム人女性が米兵との間にできた子供を、アメリカに送り出そうとするもの。
ベトナムで暮らすよりもアメリカの方がよい暮らしができるからと、子供のためを思う母親の姿が鮮明に描かれています。
「ミス・サイゴン」は以前より人気のあったオペラ「蝶々夫人」と、フランスの小説「お菊さん」のストーリーを元に誕生。
1枚の写真・蝶々夫人・お菊さんが融合したミュージカル「ミス・サイゴン」は、見る人の心を打つ大作に仕上がっています。
日本では1992年から帝国劇場で開幕
出典:東宝演劇部
そんな「ミス・サイゴン」も、初回公演から3年後の1992年から帝国劇場で開幕しました。「ミス・サイゴン」は日本での人気も高く、帝国劇場を中心に何度も公演されています。
当初予定されていた2020年公演は前回から4年後ということもあり、待ちに待ったという方も多いです。残念ながら中止になりましたが、2022年の公演が決定したので本当に楽しみです。
ちなみにアメリカ大使館でエンジニアとして働く役は、1992年からずっと市村正親さんが担当しています。まさにハマリ役といったところですね。



戦争の悲惨さを思い知らされる、社会派ミュージカル(ネタバレ注意)
キャバレーで恋に落ちたアメリカ兵クリスと戦災孤児の少女キム。お互い、永遠の愛を誓うもサイゴン崩落により2人は引き裂かれてしまいます。
ベトナム戦争が終わって数年後、キムはクリスにはアメリカ人の妻エレンがいることを知ります。
じつはクリスとキムの間にはタムという息子がいました。タムの将来を願って、息子をアメリカへ送り出そうとしていたキム。
キムは、自分が生きていては息子タムがアメリカで暮らしていくには不都合だということを悟り、自ら死を選びます。
駆けつけたクリスに抱かれ、愛する人の腕の中でキムは息絶える…という胸が締め付けられるようなストーリーです。
「ミス・サイゴン」の舞台となったホーチミンってどんなところ?
題材にも使われているサイゴンとは、現在のベトナム南部に位置するホーチミン市を指します。
『政治のハノイ、経済のホーチミン』と呼ばれる通り、ホーチミンは東南アジアでも経済が発展している都市です。その証拠にホーチミンでは外資系も多く参入しており、活気にあふれています。
ホーチミンは熱帯モンスーン気候で、ベトナムでも暑い都市として有名です。



「ミス・サイゴン」にも登場するホーチミンの聖地
「ミス・サイゴン」を見たらホーチミンの聖地に寄ってみたくなりますよね。
ここでは「ミス・サイゴン」で登場したホーチミンの聖地を2つ紹介します。どちらもホーチミン観光に人気のスポットなので、ぜひ訪れてみてください。
ベトナム戦争終結の地「統一会堂」
当時の南ベトナム大統領官邸が現在では「統一会堂」という名称に変わり、ホーチミンの地に残っています。
北ベトナムが南ベトナムの本拠地であるこの大統領官邸を占領。ベトナム戦争は北ベトナムの勝利となって終結しました。
敗戦濃厚となった南ベトナム側の米軍は、この大統領官邸の屋上にあるヘリポートから脱出したといわれています。
名称 | Dinh Độc Lập |
住所 | 135 Nam Kỳ Khởi Nghĩa, Phường Bến Thành, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh |
電話番号 | +84 28 3822 3652 |
公式URL | http://www.dinhdoclap.gov.vn/ |
バックパッカーに人気の「ブイビエン通り」
出典:tnkjapan
キムが働いていたキャバレーがあったとされる「ブイビエン通り」。
昼間はおしゃれな雑貨屋さんやおいしいレストランが立ち並ぶ名所といった印象ですが、夜はバーやナイトクラブに来るお客さんで賑わっています。
現地在住の私からすると正直
「怪しい」
「おじさんが行くところ」
といった印象が強いのですが、1975年当時キムが働いていたキャバレーがあった場所という設定を知ると、印象が変わり感慨深いですね。
そして、ベトナム人女性のたくましさも感じます。
ホーチミン現地在住の私から見た町の印象



現地在住の私の印象としては、まず「発展が目覚ましく、活気がある」といった印象です。郊外には田舎の風景を残しつつも、高いビルやマンションがどんどん建設されています。
そして戦争の影響からか、高齢者を見かけることが少ない印象。若い人が多く、スマートフォンを利用したサービスが普及していたり、IT化も進んでいます。
ホーチミンは西洋風の家や建物も多く、フランス統治時代の面影を感じさせます。お金持ちの人の大きな家は、フランス様式であることが多いです。



最後に



「ミス・サイゴン」の舞台となったホーチミンはとてもすてきな場所です。現地の情報や雰囲気を知ることで、より深くミュージカルを楽しめることと思います。
また世界中で人気を集めている「ミス・サイゴン」から、ベトナムに興味を持ってもらえるとうれしいです
「ミス・サイゴン」を見たあとは、ぜひホーチミン観光に訪れてみてくださいね!
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